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看護領域 看護開発学

看護開発学とは

看護開発学は、社会の変化や保健医療ニーズの多様化に対応するための様々な課題の解決に向けて、地域や病院、施設におけるケアの提供や、医療、公衆衛生等に関する制度・政策の企画立案及び実施において「看護」が有するポテンシャルの開発、具体的には、看護専門職の関与、能力発揮、活動範囲とそれらを踏まえた看護システム・サービスの発展的拡大について探求するものである。

大学院への進学や当方の研究プロジェクトにご興味のある方、お気軽にご連絡ください。

ishiharalabo001★gmail.com  ※左記の「★」記号を「@」記号に置き換えてください。

教員研究実績とメッセージ

教授 石原 美和
教授 石原 美和

 

研究実績

地域における看護事業所の運営に着目し、事業所に関わる制度について、看護政策の観点から評価研究を進めている。特に、医療ニーズを伴う在宅療養する患者に、通所での看護サービスを提供する「療養通所介護事業所」に焦点を当て、希少な通所サービスの拡充に必要な課題を実証的に検証した。
研究プロジェクトとしては、2020年より進めている、日本学術振興会科学研究費助成事業「訪問看護ステーション等の地域における看護事業所の制度的基盤整備に関する研究」において研究代表者を務めている。2022年8月から2024年3月までは、東京財団政策研究所にて「看護がつなぐ医療と暮らし‐在宅看護サービスへのアクセシビリティ向上のための政策研究」の研究主幹を務めた。今年度は、学会での発表などを通して、「地域における在宅看護サービスへのアクセシビリティ向上」に向けて普及啓発活動を推し進めていく。

 

学生へのメッセージ

看護や保健医療に関する政策の評価研究や、感染症等の健康危機管理の政策に関する研究に一緒に取り組みませんか?また、看護の力を社会の中で活用するソーシャルイノベーションについても注目しています。
看護開発学では、教員や学生同士が互いに研究する力や発信する力を高め合い、ヘルスケアに寄与できることを目指しています。

准教授 松永早苗
准教授 松永早苗

研究実績

感染管理認定看護師として保健・福祉・医療施設や地域の感染対策を実践してきた経験を活かして「感染症による差別や偏見」、「福祉施設などにおける感染症対策」をテーマに研究を行っている。研究代表者として、日本学術振興会 科学研究費助成事業「感染症による偏見・差別をなくすヘルスリテラシー向上のための基礎的研究」に携わっている。また、看護の基礎教育や現任教育に携わり、「フィジカルアセスメント」「国際看護」に関する看護職への教育方法を検討する研究も積極的に取り組んでいる。一般社団法人日本学会活動では、一般社団法人国際看護学会の理事、日本感染管理ネットワーク教育委員を担い、人材育成や研究に取り組んでいる。

 

学生へのメッセージ

ヘルスケア領域における研究を一緒に行い、看護の発展を目指しませんか?

研究は時に難しいこともありますが、研究の成果を得たときに、達成感を味わうことができます。

ゼミナールで研究を楽しみましょう!

研究室紹介

看護開発学 石原研究室をわかりやすくまとめました。ぜひご覧ください。

研究室風景

ゼミ風景

学内での博士課程前期の学生の研究計画発表会に向けて、意見交換しているところです。

看護開発学演習のゼミナールの様子(zoom)

看護開発学演習では、大学院生のみならず、看護開発学領域の研究に携わる研究者が集まり、研究の進捗を発表しながら討議を行っています。メンバーは、普段はヘルスケアの実践者として働き、研究にも携わる熱意をもっており、討議が白熱します。

東京財団政策研究所における研究活動

看護がつなぐ医療と暮らし 在宅看護サービスへのアクセシビリティ向上のための政策研究

 我が国は、超高齢社会を迎え、2040年には年間死亡者168万人の多死時代となります。国民は、人生の最期まで自分らしく生活を送り、住み慣れた場所で友人や家族に囲まれ豊かに過ごし続けたいこと希望しており、不安なく地域で療養するための体制整備が急務となっています。また、近年の在院日数の短縮により、看護ケアが必要な状態で退院する患者が増加し、退院直後の看護サービスの必要性が高まっています。一方で、訪問看護サービスの延べ提供件数は、伸びていません。その大きな理由として、「国民が地域において看護サービスを利用できることや利用するメリットを十分に理解できていない」、「利用するための手続きが複雑である」ことが挙げられ、訪問看護へのアクセシビリティに問題があると考えます。

 本研究では看護ニーズの高い患者の退院時に、病院看護師から訪問看護師へと看護サービスが途切れずに繋がる仕組みを開発し、自宅での安全な療養生活が維持・継続できるようにするための政策提言を行いました。

2024年1月18日(木)東京財団政策研究所主催のウェビナー「あなたが最期を迎えるなら、自宅がよいですか?病院がよいですか?~看護がつなぐ医療と暮らし~」を開催しました。

本研究の成果を発信、登壇者と活発な意見交換を行い、一般視聴者への問題啓発にもつながりました。

研究テーマ

地域や病院・施設における看護システム・サービスの開発に関する研究

地域や施設において包括的な医療を目指した看護システムや新たなサービスにつながる基礎的な研究に取り組んでいます。

▶持続可能な地域包括ケアシステムに向けて 病院と地域の施設が連携していくためにも、医療と介護がつながるための方策

▶農業分野におけるICTを活用した重度身体障害者の就労可能性ー知識集約型産業としての農業の新たな担い手に関する考察

▶在宅医療資源整備状況等の自治体間比較分析:地域資源による類型間の違いに着目して

看護をめぐる制度・政策に関する研究

看護に関する制度や政策の基盤となるリサーチクエスチョンに取り組んでいます。

▶療養通所介護事業の運営実態に合わせた報酬体系の考察

▶大学院博士前期課程における看護政策提言能力の育成に関する考察

▶令和2年度厚生労働省老人保健健康増進等事業 訪問看護師による認知症高齢者と家族の支援に関する調査研究事業

健康危機管理における看護に関する研究

国民の健康に危機を及ぼす感染症や災害に看護がどのように関わっていけばよいかを検討する研究を行っています。

▶薬害HIV/AIDS患者の精神健康・身体症状・生活の満足度に関する縦断調査と患者との振り返り(中間報告)

▶A保育所における新型コロナウイルス感染症対策マニュアルの検討

▶時を超えて考えるハンセン病療養所の生活

動画コーナー

日本エイズ学会にて:

「コーディネーターナース制度の創設と活用」

日本エイズ学会にて:

「薬害HIV・AIDS患者の精神健康・身体症状・生活の満足度に関する25年間の縦断調査と患者との振り返り(中間報告)」

日本在宅看護学会にて:

「看護事業所である療養通所介護事業所への制度改正の影響に関する考察」

令和4年度神奈川県公衆衛生協会研究奨励表彰(協会賞)受賞

令和3年度神奈川県公衆衛生学会において発表した「A保育所における新型コロナウイルス感染症対策マニュアルの検討」で、令和4年度神奈川県公衆衛生協会研究奨励表彰(協会賞)を受賞しました。

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