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研究内容紹介

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疫学から真のヘルスイノベーションをめざす

氏名
成松 宏人
所属
ヘルスイノベーション研究科
研究分野
疫学、ゲノム医学、公衆衛生学
キーワード

ゲノムコホート、拡張知能、データサイエンス

取り組み内容

高齢者社会の到来により我が国の健康・医療は大きな変革を迫られています。チームをつくり、多くの研究メンバーと健康・医療分野において社会システムや技術の革新すなわち、ヘルスイノベーションにつながる研究を行っています。従来の疫学・予防分野の枠内にとどまらず、科学技術・産業政策・保健医療を融合した、新たなチャレンジを追い求めていきます。

ゲノムコホート研究(神奈川県みらい未病コホート研究)

健康な状態からゲノム情報を含めた網羅的な生活習慣、健診検診データをビックデータ化し、疾患リスクを明らかにして、未病対策(疾病予防)に役立てることが目的です。2016年より日本多施設コホート研究(J-MICC研究)の共同研究として県西部でゲノムコホートを設立しました。ベースライン調査期間5年で5000人のリクルートを計画して調査を進めています。 また、コホートデータの解析もJ−MICCや東北メディカルメガバンク機構と共同で精力的に進めています。

介入コホート研究(ME-BYO and ME-RISEプロジェクト)

ゲノムコホートのプラットフォームを使い、最先端技術を使った、予防医療介入を行い評価し、社会実装につなげる、先進的かつ挑戦的な取り組みです。神奈川県のヘルスケア・ニューフロンティア担当部署のサポートを得ながら、民間企業やアカデミアと連携で2019年からいくつもの研究が立ち上がってきています。以下に代表的なものをあげます。


① 疾患リスク予測モデルを介入指標にした健康介入
データ包絡方分析というオペレーションズリサーチの手法を使い、抽出される高血圧発症ハイリスク者に事前に健康介入をすることにより、高血圧発症予防が可能かどうかを検証する前向き無作為介入研究です。このコンセプトはゲノムコホートデータにてその予防医療への活用可能性を私たちの研究チームが見い出したものです。神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科、神奈川県立がんセンターと山形県東置賜郡高畠町、同公立高畠病院との共同研究として行っています。


② ヘルスケアロボットを使った介護予防法開発プログラム
ロボットスーツHAL(CYBERDYNE社)腰タイプを活用した、フレイル、プレフレイルと判定された高齢者に対し有効な介護予防プログラムを開発するための研究です。2019年には20例を対象としたFeasibility studyを湘南ロボケアセンター(株)、慶應義塾大学、神奈川県保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科、神奈川県立がんセンターとの共同研究として開始しました。現在症例登録中です。

AIを活用した医療介入システムの開発

近年発展を遂げ実用化されつつある拡張知能(Augmented intelligence: AI)にもいくつかの機能が知られていますが、その中でもChatbotはParkinson’s diseaseやAutism等を対象としたコミュニケーション支援として活用されています。
私達はこのChatbotシステムに注目しました。遺伝性腫瘍患者の拾い上げ業務を効率化することで拾い上げを行う対象者数を増やし、より多くの人々に遺伝診療を提供することを目的として、IBM社のWatson®を活用した拾い上げChatbotの開発を神奈川県立がんセンター遺伝診療科とAIT株式会社と共同で行っています。すでにプロトタイプを作成しており、臨床応用や未病対策への応用をめざして研究をすすめています。
活用事例(AIT様ウェブサイト)https://www.ait-solution.jp/casestudy/ai-kcch/

 

*クロスアポイント制度により神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科と神奈川県立がんセンターの双方に在籍しています。神奈川県立がんセンターでは、遺伝診療科部長および臨床研究所がん予防・情報学部部長を務めています。

メッセージ

イノベーションを起こして、これからの日本の健康を守る取り組みにご興味のある皆様の参画をおまちしています。

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