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研究内容紹介

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音声病態分析 & 高濃度水素ゼリー

氏名
徳野 慎一
所属
ヘルスイノベーション研究科
研究分野
音声病態分析、災害医学、産業医学
キーワード

音声バイオマーカー、ストレス、うつ病、認知症

声で病気を見える化する

人の声を聴いて何となく体調が悪そうだなと感じることがあります。家族や友人の声だけではなく、初見の人の声でも感じることがあることから、声には何らかの体調に左右される特徴があるのだろうと考えられます。そこで、我々はこの声の変化を指標化できないかと考えました。

 

我々はストレスや抑うつ状態になると感情の表出が低下することに着目し、スマートフォンの通話中の音声からスマートフォン所有者の心の健康状態を自動的にモニタリングするアプリケーション“MIMOSYS(Mind Monitoring System)”を開発しました。MIMOSYSは音声の基本周波数の変化から感情をとらえ、会話中の感情の割合により心の健康の程度である”元気圧”を計算します。元気圧は会話の内容、相手等により大きく変化するため、元気圧の2週間のばらつきと平均から”活量値”という指標を考案しました。我々は、この元気圧と活量値を様々なシチュエーションにおいて1万人以上で検証を行い、その有効性を確認しています。 

 

我々の開発したアルゴリズムは、既に日本において産業衛生向けに製品化されており、また、個人向けには我々のアルゴリズムを使用したアプリケーションが複数のスマートフォンにプレインストールされています。さらに、神奈川県が推進するME-BYO Indexのメンタルヘルス・ストレスのドメインとして採用されました。

 

現在、我々はストレスやうつ病から認知症へと研究対象の中心を移し、音声病態分析技術のさらなる発展を目指して研究しています。

 

<参考>  

MIMOSYS (android) https://play.google.com/store/apps/details?id=com.medical_pst.mimosys_release2&hl=ja

MIMOSYS (iOS) https://apps.apple.com/jp/app/mimosys/id1447342229

ME-BYO 指標https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000572154.pdf

高濃度水素ゼリー

音声で簡単にストレスやうつ病、そして認知症が検出できるようになっても、それに対する解決策がなくてはなりません。うつ病や認知症の患者さんの脳内では炎症性の反応が更新していることが知られています。我々は、水素が非常に強い酸化還元作用を持つことに着目し、水素がこれらの炎症反応を抑えるのではないかと考えました。しかしながら、水素を体に取り込むのは簡単ではありません。燃焼性の気体である水素は、ボンベに入れて持ち運ぶことは困難です。また、非常に水に溶けにくい気体でもあります。そこで、我々はゼリーの中に非常に細かい気泡として水素を閉じ込める技術に着目しました。

現在は、開発企業の協力のもと、動物実験によるうつ病および認知症への効果を調べています。

 

<参考>   http://hcs.shinryo-gr.com/hydrogen/interview/

 

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