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人間総合科 木村教授がISO Excellence Award を受賞しました!

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人間総合科 木村 芳滋 教授は、ISO TC201/WG4のコンビーナ(議長)として、ISO 20579-3: 2021, "Surface Chemical Analysis — Sample handling, preparation and mounting —Part3: Biomaterials"「表面化学分析サンプルの取り扱いと準備,取り付けーパート3:バイオマテリアル」の規格作成への貢献を評価され、浜松医科大学 瀬藤 光利教授とともに”ISO Excellence Award”を受賞しました。

 

専門用語の注:
ISO:国際標準化機構。スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardizationの略称。 ISOの主な活動は国際的に通用する規格を制定することで、ISOが制定した規格をISO規格(IS)といいます。日本でいうJIS(日本産業規格: Japanese Industrial Standards)に相当しますが、ISOは工業以外の様々な規格も広く策定しています。
TC201:ISOの下には数多くのTC(技術委員会)が存在します。その中でTC201は表面化学分析を専門とするTCです。
WG4:TCの下には数多くの、SC(分科委員会)やWG(作業部会)が存在します。WG4はTC201の下でバイオ分野を担当する作業部会です。

 

受賞の背景

「ISO Excellence Award 」は、 ISOの技術専門家の功績を称えるために創設された賞です。木村教授は、ISO TC201/WG4のコンビーナ(議長)として、本規格の策定に関して中心的に携わり、この功績を認められての受賞となります。

 

本規格について

国際標準化戦略が科学技術立国を目指す日本にとって喫緊の課題といえます。WTO/TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)は「国家標準は国際標準を尊重すべき」と規定しています。そのため、国際標準化を主導することは我が国の産業競争力を強化する上で極めて重要です。ISO/TC 201(表面化学分析:Surface Chemical Analysis)とTC 202(マイクロビーム分析:Microbeam analysis)に対応する国内審議団体として、一般社団法人表面化学分析技術国際標準化委員会(JSCA)が運営されています。国研、大学、企業等の表面化学分析・電子顕微鏡等に関連する計測分析技術の研究者や技術者が参画し、ISOにおける国際標準規格の開発、関連する日本産業規格(JIS)の開発、ならびに普及のためのアウトリーチ活動等を推進しています。


近年、ライフサイエンス産業に代表される超微細部材の高度化が進展するに伴い、プラットフォームとしての表面化学分析分野において、バイオマテリアル(Biomaterials)、生物試料(Biological Materials)計測対応のニーズが高まっています。このニーズに応えるべく、バイオマテリアル、生物試料の表面分析における試料取り扱いに関する指針等の国際標準規格が求められています。


そのような環境下で、数年前から、ISO/TC201直下におかれたWG 4(生物試料の表面分析)において、日本(JISC)はコンビーナとしてバイオマテリアルや生物試料の表面分析の標準化を主導してきました。その最初の成果として日本(JISC)のWG4提案で成立したのが本規格です。本規格はバイオマテリアルに関する試料準備に関する規格ですが、現在WG4では生物試料の準備に関しても、新規規格PWI23760について、分析技術ごとに原案の内容検討を行っています。

 

 

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