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目の前の患者さんはもちろん、自分の研究で多くの患者さんの健康増進に寄与したい

土田 将之

博士後期課程

リハビリテーション系 修了

神奈川県立保健福祉大学に入学を決めた理由

理学療法士として臨床と研究は車の両輪のようなものだと以前から思っていました。患者さん一人ひとりをみるというのがセラピストの役割ですが、同時に患者さんと接していくためのエビデンスを充実させる努力も他人任せにはできない使命だと感じています。ですので、臨床と研究どちらも進めていきたいと思っていました。

こちらの大学院は、夜間の授業もあって、臨床をしながら研究を続けていくことができるという意味で、私が望んでいる環境に近いと思い、入学を決めました。

研究テーマについて

高齢者の転倒防止に何が貢献できるかについて研究しました。高齢者は我々が何気なく出来ている応用歩行、例えば花見をしながらのんびり歩く、トイレに早足で駆け込むといった動作が難しくなります。こういった応用歩行を安全にできるようになり、屋外歩行を気兼ねなく楽しんでもらうためには、どういった練習や治療介入が必要になるのかを研究しました。

研究生活について

昼は病院のリハビリテーション科の所属長として、組織の管理をし、夜は研究ということで、なかなか時間のオンオフの切り替えが難しかったです。自分一人の力だけではなくて、所属している病院のスタッフも所属長の私を支えてくれたので、業務と研究の両立ができたと思います。良い実験結果がなかなかでないときや、夜遅くまでの解析作業が続いたときなどは、どうしても疲れやイライラが表情に出てしまいがちです。ですが、そんなマイナスな表情こそ職場の同僚は見ていると思います。心配をかけないためにも、きちんとセルフコントロールしていかなければと思っていました。

博士後期課程の同期には理学療法士だけでなく、看護師や栄養士、作業療法士がいます。皆さん私と同じように仕事をしながら研究をしています。同じ保健医療福祉の中で働く我々ですが、業種が違うと全く物の見方が違います。授業の中で、同じ症例を検討していても、多角的な視点からのディスカッションをすることができます。例えば、栄養士なら我々が普段見落としてしまいがちな食事の摂取状態という観点を専門的に、かつわかりやすく教えてもらえます。ここで学んだことは、日々の臨床業務にも活かすことができています。

博士後期課程修了までの3年間の各年次で取り組んだこと、アドバイス

<1年目に取り組んだこと>

・6月頃 指導教員や共同研究者と研究計画の打ち合わせ

・8月頃 研究倫理審査委員会への研究計画書の提出

・1月頃 研究計画の承認を受け、実験開始

<アドバイス>

人を対象とする研究の場合、研究倫理審査委員会から研究計画書の承認を受ける必要があります。厳正な審査ですので,修正と再提出の繰り返しで数か月を費やすこともあります。早めの研究計画の作成が重要です。

 

<2年目に取り組んだこと>

・4月頃 第1研究のまとめと第2研究の実験スケジュール調整

・8月頃 第2研究のまとめと学術誌への論文投稿の準備

・12月頃 博士論文中間発表会にて研究の進捗状況を報告

<アドバイス>

学術誌への論文掲載は博士後期課程の修了要件となっています。修正と再投稿を繰り返すため、最初の投稿から掲載決定まで半年以上かかる場合があります。早めに準備をしましょう。2年目で博士論文の全体が大まかに完成していることが理想です。

 

<3年目に取り組んだこと>

・7月頃 第3研究のまとめと博士論文全体の最終調整

・9月頃 予備審査用博士論文提出締め切り

・1月頃 最終審査用博士論文提出締め切り

<アドバイス>

実験スケジュールが押してしまったため9月の締め切りに追われ、連日研究室に泊まり込んで論文を作成しました。体力・精神力をフル動員して乗り切りましたが、仕事と研究の両立が一番大変な時期でした。限られた期間の中で研究成果を出し、それを論文にするのはとても大変な作業です。とにかく早めの準備をすることが、実りある研究生活のために一番大切なことだと思います。

受験生に向けたメッセージ

マンモス大学に比べると規模はコンパクトな大学なので、他の領域の先生と話がしやすく、メールで先生方への相談も気軽にさせていただきました。ソフト面でも研究に必要な条件が揃っていると思っています。夜間や土曜の授業で社会人にも配慮した大学となっています。大学院事務室が夜遅くまで空いていて、書類提出などいろいろな手続きも対応してくれて、きめ細かな対応をしていただきました。

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