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本学修了生と教員の共著論文が国際科学雑誌に掲載されました

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 ヘルスイノベーション研究科(SHI)修了生の西山未南さんと中村翔准教授、修了生の松木大造さん、成松宏人教授の共著論文「Association between gut microbiota and locomotive syndrome risk in healthy Japanese adults: a cross-sectional study」が、国際科学雑誌「npj Aging」に公開されました。

 

(公開された論文)

https://doi.org/10.1038/s41514-024-00184-y

 

研究の概要
本研究は、神奈川県みらい未病コホート研究の協力者で腸内細菌のデータがあった568名(男性36.8%、年齢中央値58.5歳)を対象に、腸内細菌叢の組成とロコモティブシンドロームとの関連を調査しました。ロコモティブシンドロームの評価には、ロコモ5(5-question Geriatric Locomotive Function Scale; GLFS-5)を使用しました。
 
 分析の結果、ロコモ5陽性(6点以上)の個人では、Actinobacteria門の増加とFirmicutes門の減少が確認されました。また、分類木分析により、以下の条件を満たす参加者がロコモティブシンドロームのリスクが高いことが明らかになりました:
  •  70歳以上78歳未満
  • プロバイオティクス食品を摂取していない
  • Holdemania属の相対存在量が0.04%以上
 この研究結果は、特に高齢者における腸内細菌叢、特にHoldemania属の増加とロコモティブシンドロームとの潜在的な関連を示唆しています。本研究は、加齢に伴う運動器の健康と腸内細菌叢との複雑な関係について新たな知見を提供しています。
 
 
中村准教授から論文公開にあたってのコメント

 本研究は、因果には言及できないものの、腸内細菌叢とロコモティブシンドロームとの関連を示す重要な知見を提供しています。今後、縦断研究や介入研究を通じて、腸内細菌叢の情報を活用した予防介入の開発につながることが期待されます。これにより、健康寿命の延伸に貢献できる可能性があります。

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