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戻るロボットによる介護予防プログラムの効果を明らかにしました~通常歩行速度が33%増~
戻る本学ヘルスイノベーション研究科では、未病コンセプトに基づいて、社会システムや技術の革新を起こすことができる人材の育成とともに、健康長寿社会を実現する研究活動を実践しています。
その一環として、本学の成松宏人教授らが実施した、神奈川県立がんセンター臨床研究所、慶應義塾大学、湘南ロボケアセンター株式会社との自立支援ロボット「装着型サイボーグ HAL®」を活用した介護予防プログラムに関する共同研究の論文がExperimental Gerontologyに掲載されましたので、お知らせします。
1 研究の背景・目的
加齢により心身が疲れやすく弱った状態であるフレイルとフレイルの原因となる筋肉量の減少および筋力が低下する症状であるサルコペニアは、高齢者において悪化するリスクが高くなることから、サルコペニアを改善するために効果的な運動介入を開発することが求められています。
そこで本研究では、「HAL® 腰タイプ」に着目し、これを用いた運動プログラムの効果を検証しました。
2 研究結果
フレイル、プレフレイルと診断された高齢者の方79名を対象に、ランダム化比較試験を行いました。具体的には、5週間にわたり、「HAL® 腰タイプ」を活用した運動プログラムに参加いただき、どのように改善するかを検証しました。
その結果、77名の方がプログラムを完了。「HAL® 腰タイプ」を活用した実施群では、対照群と比較して、通常歩行速度の変化量が平均で33%増の+0.35 (0.04) m/秒と、統計学的に有意な改善を認めました。(()は標準誤差)
(m/秒)
ベースライン① | 介入後② | ②-① | |
---|---|---|---|
実施群 | 1.05 | 1.43 | 0.38 |
対照群 | 1.03 | 1.06 | 0.03 |
差引 | 0.02 | 0.37 | 0.35 |
3 まとめ
「HAL® 腰タイプ」を用いた5週間の運動プログラムは、短期間でサルコペニアの改善をもたらすことが明らかになり、要介護のリスクの高い高齢者にとって、地域において自立した生活を続ける有望な選択肢となる可能性が示されました。
トレーニングの様子 論文より抜粋 © 2024 Saito et al. under the CC BY license
(論文掲載)
Saito Y, Nakamura S, Kasukawa T, Nagasawa M, Oguma Y, Narimatsu H. Efficacy of exercise with the hybrid assistive limb lumbar type on physical function in mobility-limited older adults: A 5-week randomized controlled trial. Exp Gerontol. 2024:112536. Epub 20240802.
https://doi.org/10.1016/j.exger.2024.112536
問合せ先
公立大学法人神奈川県立保健福祉大学大学院
ヘルスイノベーション研究科
教授 成松 宏人
ヘルスイノベーションスクール担当部長 沖田
電話 044-589-3312 shi-press@kuhs.ac.jp
神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター 臨床研究所
がん予防・情報学部
電話:045-520-2222(代)
慶應義塾広報室
電話:03-5427-1541