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未病指標の機能向上に関する論文を発表しました

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未病指標の機能向上に関する論文を発表しました

― 未病に関する学術研究を加速します ―

 

 本学ヘルスイノベーション研究科では、神奈川県や県内の研究機関と連携して、未病コンセプトに基づいて、社会システムや技術の革新を起こすことができる人材の育成とともに、健康長寿社会を実現する研究活動を実践しています。

 このたび、神奈川県みらい未病コホート研究を活用した神奈川県が推進する未病指標の実証研究プロジェクトに関する論文がFrontiers in Public Healthに公開されましたのでお知らせします。

 

1 研究の背景・目的

 現在、神奈川県立がんセンター臨床研究所と連携し、神奈川県みらい未病コホート研究(※)を約5,000名の県民の皆様のご協力を得て、神奈川県全域で展開しています。

 この研究は、健康な方々からゲノム情報を含めた網羅的な生活習慣、健診・検診データをビックデータ化し、疾患リスクを明らかにして、未病対策に役立てることが目的で、神奈川県の未病コンセプトの実現を学術面から推進するものです。

 未病指標は、生活習慣、生活機能、認知機能、メンタルヘルス・ストレスの4つの領域の状態を総合的に数値化した指標で、現在の未病の状態を「見える化」することができ、神奈川県の健康管理アプリケーション「マイME-BYO カルテ」に実装されています。

 この未病指標の機能をさらに向上させるため、未病指標を利用した方のデータの蓄積・分析を行う実証事業を、令和2年度から実施してきました。

 (※)県民のゲノム情報や生活習慣の情報を収集、ビッグデータ化することで疾患リスクを明らかにし、未病対策に役立てることを目的に、神奈川県の協力を得て、運営しているゲノムコホート研究。https://www.me-byo-cohort.jp

 

2 論文の概要

論文タイトル:The ME-BYO INDEX: A development and validation project of a novel comprehensive health index

       (未病指標:新たな総合健康指標の開発・実証プロジェクト)

未病指標の機能を向上させ、県民の効果的な行動変容の促進につなげる道筋

  •  未病指標の成り立ちの経緯や未病コンセプトを紹介しました。
  • 未病指標をより県民が活用できるようにするためには、神奈川県みらい未病コホート研究で集められている健康データを使った解析が不可欠であることから、例えば、未病指標がどのような健康や生活の質に関する項目に関係するかなどを解析してきました。
  • 神奈川県みらい未病コホート研究を活用することによって未病指標の正確性が高まり、また、未来予測の精度が高まること、そして、未病指標を用いたヘルシーエイジングの取組の推進が期待されます。

 

3 まとめ

 未病に関する学術研究を加速させ、より効果的な未病対策の実現に貢献していきます。

 

(未病指標について)

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/mv4/mebyo-index/mebyo-index_refinement.html

 

(論文掲載)

Nakamura S, Watanabe R, Saito Y, Watanabe K, Chung U-i and Narimatsu H (2023) The ME-BYO index: A development and validation project of a novel comprehensive health index. Front. Public Health 11:1142281. doi: 10.3389/fpubh.2023.1142281

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpubh.2023.1142281/full

 

問合せ先

公立大学法人神奈川県立保健福祉大学大学院

ヘルスイノベーション研究科

教授 成松 宏人

ヘルスイノベーションスクール担当部長 沖田

電話 044-589-3312 shi-press@kuhs.ac.jp

 

神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター 臨床研究所

がん予防・情報学部

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