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デジタルピアサポートの効果を確認~1日平均歩数が 20%増~

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 本学イノベーション政策研究センター(CIP)では、保健・医療・福祉に関する政策的研究及び提言を行うとともに、学術的な研究と社会課題とのマッチングを行い、イノベーションの社会実装を推進しています。

 その一環として、本学の成松宏人教授らが実施したエーテンラボ株式会社との習慣化アプリ「みんチャレ®︎」を活用した行動変容へのインパクト評価に関する共同研究の論文が JMIR Formative Research に掲載されましたので、お知らせします。 

 

1 研究の背景・目的

 近年、勤労世代や高齢者の身体活動量不足による健康リスクの上昇が懸念されています。

 そこで本研究ではオンライン空間で仲間と励まし支えあいながら、気軽に健康習慣に取り組む「デジタルピアサポート」に着目し、習慣化アプリ「みんチャレ®︎」を活用して、ウォーキングの継続や、心身の健康状態への影響を検証しました。 

 

2 研究結果

 神奈川県庁職員及び同県内の自治体職員 63 名に「みんチャレ」を3ヶ月間利用いただき、最大5人1組の匿名の仲間と励ましあいながら毎日の歩数を報告しあい、開始前1週間と利用中の3ヶ月間の歩数平均を比較しました。

 また、開始時と終了時にアンケートと体重・血圧等の身体測定を実施し、健康行動や健康状態等の前後比較を行いました。

(結果)

  •  「みんチャレ®︎」の3ヶ月継続割合は98%であり、身体活動促進を目的としたス マホアプリの継続に関して調査した過去の研究結果(45%程度)に比べ高い水準
  • 1 日あたりの歩数平均が開始前1週間に比べ、終了後は約20%増加(開始前 5,811歩→終了後 6,993歩:1,182歩増加)
  • 体重、体脂肪、血圧も開始時に比べ、終了時は減少
項目 開始時 終了時
体重 68.56kg 67.30kg
体脂肪 28.50% 26.58%
収縮期血圧 130.42mmHg 122.00mmHg
拡張期血圧 83.24mmHg 77.92mmHg

 

3 まとめ

 デジタルピアサポートは実社会で継続利用されることを確認し、歩行促進や健康状態に良い効果がある可能性が明らかになりました。

 現在、神奈川県みらい未病コホート研究(※)の参加者約100名に対してデジタルピアサポートについて研究を進めており、遠隔での保健指導サービスにおける活用等を通じた社会での実装を目指してまいります。 

 

(※)県民のゲノム情報や生活習慣の情報を収集、ビッグデータ化することで疾患リスクを明らかにし、未病対策に役立てることを目的に、神奈川県の協力を得て、運営しているゲノムコホート研究。https://www.me-byo-cohort.jp/

 

(論文掲載)

Okamoto M,Saito Y,Nakamura S,Nagasawa M,Shibuya M,Nagasaka G,Narimatsu H Smartphone-Based Digital Peer Support for a Walking Intervention Among Public Officers in Kanagawa Prefecture: Single-Arm Pre- and Postintervention Evaluation JMIR Form Res 2024;8:e53759 doi:10.2196/53759 PMID:39316793 https://formative.jmir.org/2024/1/e53759

 

問合せ先

公立大学法人神奈川県立保健福祉大学大学院

イノベーション政策研究センター

センター長 成松 宏人

ヘルスイノベーションスクール担当部長 沖田

電話 044-589-3312 shi-press@kuhs.ac.jp

 

エーテンラボ株式会社

広報担当 加藤 電話 070-4203-0045 / maho.kato@10lab.com

研究担当 渋谷・吉原 minchalle.zoom.gov@a10lab.com

電話 03-5422-8396 / お問い合わせフォーム:https://a10lab.com/contact/

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