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本学学生と教授の共著論文「日本の指定難病患者における医師への信頼と確定診断までの時間: 横断的研究」が国際専門ジャーナルに公開

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 ヘルスイノベーション研究科 (SHI)博士課程2年の田中弘之さんと島岡未来子教授の共著「日本の指定難病患者における医師への信頼と確定診断までの時間: 横断的研究」が、希少疾患の国際専門ジャーナルであるIntractable & Rare Diseases researchに公開されました

 

(公開された論文)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10242396/

 

研究の概要

 難病患者の多くは、診断や専門医へのアクセスが困難なため、誤診や診断の遅れを経験しています。本研究は、日本におけるの指定難病患者のいずれかに該当する患者のうち、有効登録者人を対象に質問紙調査を実施しました。

 その結果、次の2点が明らかになりました。第一に、患者の確定診断までの期間が長いほど、医師への信頼度は低下することがわかりました。第二に、確定診断の遅れを経験した患者の多くは、身体に何らかの異変を感じてから最初にかかりつけ医を受診するまでの期間においても長い期間を要していることがわかりました。日本政府における難病の早期確定診断実現のための取り組みは、患者が最初にかかりつけ医を受診したところから専門病院で確定診断されるまでの期間を短縮しようとする取り組みに重点が置かれています。しかしながら、難病の未診断期間とは、正確には患者が症状を発症した時点からと考えるべきであり、最初にかかりつけ医を受診するまでの期間を短縮することについても取り組む必要があることが今回の研究で明らかとなりました。

 本研究の結果は確定診断の遅れを経験した患者の背景を理解する上で重要であると考えられます。

指導教員である島岡教授から論文公開にあたってのコメント

 難病指定患者が確定診断を得るまでのプロセスと時間の理解は、患者のを向上させるために有用です。本研究では、患者の視点に立ち、現行の政策の不足点を明らかにし、提言を行っています。

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