Laboratory

戻る

久保田 研究室

戻る

久保田 研究室

歯科の観点から見た、公衆衛生の研究を中心に行っています。

キーワードは口腔衛生、予防歯科、栄養、口腔機能、国際保健、口腔疫学等です。

 

研究テーマ

1. 歯科と栄養に関する研究

 「お口の健康」と「栄養」は密接に関係しています。その中でも、歯ぐきの病気に代表される「歯周疾患(ししゅうしっかん)」は、噛(か)む機能、栄養および全身との健康に関係していることが明らかになっています。近年、わが国の若年層における不規則な栄養摂取が問題になっており、若い男性の肥満率の増加や、若い女性のやせ願望、野菜やカルシウム摂取量の減少などが報告されています。また、ファストフードに代表される軟食や加工食品を摂取する機会が多くなっていることから、噛む力(咀嚼力、そしゃくりょく)の低下が懸念されています。そのため、若い時期から歯科と栄養の双方向からのアプローチが必要不可欠です。現在、本学栄養学科と共同で、若年成人における歯周疾患に関連する食品群および栄養素の種類、摂取量の調査を行っています。

2. 国際歯科保健に関する研究

 わが国でのう蝕(うしょく: むし歯)は、年々減少しています。しかし、開発途上国ではいまだ深刻な問題です。う蝕が深刻な国の一つであるカンボジアで、現地の大学と共同で、乳歯う蝕(子どものむし歯)の原因についての調査を行っています。この研究結果を、う蝕予防プログラムの作成へと展開していきます。

3. 口腔機能についての研究

 口腔(お口)は「歯」以外にも「舌」、「口唇(こうしん)」など様々な器官が協調しています。口腔機能は捕食(ほしょく: 食べ物を口に取り込むこと)、咀嚼(そしゃく: 噛むこと)、食塊(食べ物のかたまり)の形成と移送、嚥下(えんげ: 飲み込むこと)、発音、味覚、触覚、唾液(だえき)の分泌などに関わり、人が社会のなかで健康な生活を営むための必要な基本的機能です。

 近年、口腔機能の低下をもたらす「オーラルフレイル」が注目を浴びています。「オーラルフレイル」は、「フレイル」(加齢より心身が衰えた状態)に先行して起こります。これは、口腔機能の低下を遅らせることが健康長寿に必要不可欠であることを示唆しています。また、子どもの間でいつもお口が開いている「お口ぽかん」が深刻な問題になっています。これは、食事時における一口量(ひとくちりょう)のコントロール、流涎(りゅうぜん: よだれ)の防止、発音等で重要な役割を担う口腔機能の一部である「口唇閉鎖(こうしんへいさ)」そして、生涯の口腔機能に影響を与えます。現在、子どもを対象に、口唇閉鎖に影響を及ぼす生活習慣についての調査を行っています。

 

 

 

学内外での活動

 東南アジアを中心に、海外大学での講義、国際連携に関する業務を行っております。

 

 

メッセージ

 グローバル化が進む現代は、今まで以上に多様性が求められます。そのため、仕事や研究を行う上で、様々な分野のスペシャリストとの連携が欠かせません。そのため、歯科に限らず様々な分野の視点を取り入れた研究を行いたいと思っております。上記の内容にご興味やご関心のある方は、いつでもご連絡いただければと思います。お待ちしております。

前のページに戻る