教育・教員紹介Education
戻る在学生・修了生の声(2024年度)
戻る※本文の内容、所属等は、すべて「School of Health Innovation 2024」掲載当時のものです。
目次
- 庄野 怜美 さん
「社会人としての学生を尊重し
勉学や研究を導いてくれる
先生方の温かいサポートに感謝」 - 山口 千尋 さん
「それぞれが問題意識を持ち
解決に向けて意欲的に取り組む
SHIで共に学ぶ仲間からの学び」 - Le Truong Vinh Phuc さん
「SHIで学んだ
メンタルヘルスのモニタリングを
ベトナムで広めたい」 - 山鹿 由香子 さん
「専門分野の英語での授業と
深められたヘルスケア領域の知見
大きな成長を促したSHIでの学び」 - 田中 康雅 さん
「メンタルヘルス分野で
自信をもって起業するために
SHIへの入学を決意」 - 長澤 誠 さん
「誰もが
『歩く・動く』を諦めない
社会の実現を目指して」
庄野 怜美 さん
勉学や研究を導いてくれる
先生方の温かいサポートに感謝
【履修モデル】ビジネスパーソン/アドミニストレータ
総合病院にて管理栄養士として栄養管理業務に従事。その後、JICA海外協力隊員としてパナマ共和国に派遣され、現地の子どもの栄養管理、地域の小中学校での栄養教育活動を2年間実施。帰国後はクリニックにて栄養指導業務を行っている。
海外協力隊員としてパナマで活動していたとき、肥満と低栄養の人が混在する途上国の栄養不良の二重負荷の現状を目の当たりにしました。そのとき、栄養調査の正しい実施方法が分からず、管理栄養士として何もできない自分にふがいなさを感じました。そのため、 現場での栄養調査や健康教育など正しい知識を身につけたいと思ったことが公衆衛生学を学ぼうと思ったきっかけです。
仕事量をセーブしたものの、一年生のころは仕事と両立して課題をこなすことは大変でしたが、先生方が社会人としての学生を尊重し、温かい声をかけてくださることに何度も救われました。ささいな質問にも丁寧に回答してくださり、親身になって勉学や研究を導いてくれたことにも感謝しています。
修士論文では、ベトナム ハノイ市の医療施設の入院患者の病院給食の摂取状況とそれに関連する要因を横断調査しました。これからも、日本または海外の社会格差と健康・栄養状態の関連調査や、途上国の食生活、栄養状態の研究をしていきたいと思っています。
Le Truong Vinh Phuc さん
メンタルヘルスのモニタリングを
ベトナムで広めたい
【履修モデル】リサーチャー/アドミニストレータ
ホーチミン医科薬科大学公衆衛生学部で疫学と統計分析を学ぶ。卒業後、事務職員として母校に勤務していたが、地域の医療問題に取り組むことを志し、本研究科に入学。今後はSHIで学んだ音声病態分析技術をベトナム社会に導入することを目指す。
地域の健康課題を解決するためにイノベーションを模索したいという思いで、SHIに入学しました。しかし、SHIで学んでから、「イノベーション」に対する認識が変わりました。以前はこの言葉から、大きくて、とても先進的で、コストが高くとっつきにくいものを思い浮かべていました。確かに、そのようなものもあります。しかし、イノベーションとは、新しいアイデアや考え方から生まれるものであり、最初はとてもシンプルなものであっても、結果として、簡単に適用でき、地域にとって有益な解決策となるのです。私の修士論文のテーマである音声分析によるメンタルヘルスのモニタリングは、その好例です。
ベトナムは高齢社会に突入していますが、メンタルヘルスのモニタリングは 依然として課題として残っています。公衆衛生学研究者として、地域のメンタルヘルスを促進し、高齢者に健康的な加齢を届けるという使命に少しでも貢献したいです。
田中 康雅 さん
自信を持って起業するために
SHI入学を決意
【履修モデル】ビジネスパーソン
慶應義塾大学環境情報学部卒業。産業医紹介事業の立上げ、健康管理システムの事業開発、介護AIプロダクトの事業開発を経て、2022年3月、株式会社パパゲーノを創業。精神疾患を経験した方の物語を世界中に届けるアート制作プロジェクト「100 Papageno Story」を主催。
以前から自殺予防やメンタルヘルスに貢献する事業を創りたいと考えていました。ヘルスケアスタートアップで事業開発の経験を積み、事業と組織を創る力は実践を通して身についていたものの、事業の効果を検証する視点の弱さを課題に感じていました。メンタルヘルス分野で自信を持って起業するために、事業の効果を科学的に検証するスキルを学ぶことを目的にSHIへの入学を決めました。大学院1年目は、仕事のあと夜10時まで授業を受け、その後に残務や翌日の授業の課題をする生活でしたが、授業にはリモートで参加し、入学1年後に無事に起業することができました。
研究計画を作り、倫理審査を通し、論文執筆をする過程を通じて、事業の効果検証をする確かな研究スキルが身につきました。振り返ると、多様性や実践を重視する文化のなかで、働きながら公衆衛生を学び研究できる最良の機会だったと思います。今後は、精神障害・メンタルヘルスに関する偏見や差別を減らすことと、精神障害者の働く選択肢を増やすことに貢献したいと考えています。
山口 千尋 さん
解決に向けて意欲的に取り組む
SHIで共に学ぶ仲間からの学び
【履修モデル】ポリシーメーカー
薬学部卒業後、地方自治体に就職し、衛生研究所や保健福祉事務所での業務を経験した。衛生研究所では、環境中や食品中の放射性物質の調査にあたった。また、保健福祉事務所では、食品衛生監視員及び環境衛生監視員として、関連施設の監視指導等の業務に従事した。
保健福祉事務所で働くなかで、科学的根拠に基づいて、仕事に取り組むことが必要と考えていました。そのためには公衆衛生学を学ぶことが役立つのではないかと思い、SHIに入学しました。
同級生には、保健師、栄養士、理学療法士などの医療従事者やヘルスケア関連の民間企業で働く人など様々なバックグラウンドを持った人たちがいました。多くは、それぞれの専門分野で問題意識を持ち、それを解決したいと考えて入学してきていました。彼らから、医療現場でどのような問題を感じているのか、民間の立場からどのようにヘルスケアにおける問題に取り組もうと考えているのかなど、多様な考えや活動を学ぶことができました。授業での学びだけでなく、同級生からの学びも大変有意義であったと感じています。
修士研究では、高齢者における孤食や栄養摂取のメンタルヘルスへの影響をテーマとしました。年齢を重ねても心身の健康、生活の質を維持できるような地域づくりに貢献したいと考えており、修了後も高齢者の健康について関心を持って学び続けていくつもりです。
山鹿 由香子 さん
深められたヘルスケア領域の知見
大きな成長を促したSHIでの学び
【履修モデル】ビジネスパーソン
大学で文系学部を卒業後、企業に就職。その後、アメリカ ボストンに留学。帰国後からヘルスケアエージェンシーやCRO(医薬品開発業務受託機関)などヘルスケア産業に従事。ヘルスケア分野の専門性を高め、ヘルスイノベーションに貢献したいと考え、SHIの修士課程に入学。現在、SHI博士課程で学ぶ。
仕事柄、新しい治療法を開発する海外の製薬メーカーや医療機器メーカーから日本での開発戦略・治験計画に関する相談を受けることが多くありました。日本の医療制度や薬事動向を理解し、新規ヘルスケアサービスや技術に触れることで、よりよい提案ができるので はないかと考え入学を決めました。また、仕事では英語でのコミュニケーション頻度が多く、以前から英語で専門分野を学びたいと考えていたため、その点でもSHIは私の希望にマッチしました。
これまで、医学論文や治験のプロトコールなどに触れることはありましたが、文系だったため、医学系文献の読み込みはハードルが高かったのですが、SHIではさまざまな論文に触れ、解説する授業があり、私にとってよいトレーニングとなり、実務でも役に立っています。最新情報を吸収し、興味ある分野の研究ができたことも自分の成長につながりました。課題を改善できるようなヘルスケアサービスやソリューションについて考えるようになり、今後は医療データ分析を通じて、健康行動変容や疾患啓発などに携わりたいです。
長澤 誠 さん
「歩く・動く」を諦めない
社会の実現を目指して
【履修モデル】リサーチャー/アドミニストレータ
理学療法士として、急性期・回復期の病院に勤務。脳卒中や脊髄損傷、神経難病疾患のリハビリテーション業務に従事。現在は、理学療法士として企業での研究開発・コーポレート業務に従事する傍ら、訪問看護ステーションでのリハビリテーション業務を行なっている。
理学療法士として働いていて、病気などで障害を持った人々のなかには継続的なリハビリテーションを受けることができずに悩んでいる人がいることや、病気になる前からしっかり予防活動をしておけばよかったと後悔されている人がいることを知りました。人々の身体機能改善の支援や予防活動の支援にどのようにしたら貢献できるのかを学び、実践したいと思いSHIで学ぼうと決めました。
私には1歳と5歳の息子がいます。次男は在学中に産まれました。また、仕事はフルタイムです。そんな私が大学院で学ぶことができているのはSHIのサポートのおかげです。先生や事務局の方と話をすると、学生が学業だけでなく、仕事や家庭のことも大切にできるように配慮してくださっていると感じます。
博士課程ではヘルスケアロボットを活用した介護予防プログラムの効果検証を研究テーマにしています。人とロボットが互いに支援し合うことによって、身体機能が低下していても運動を続けられるような社会が実現できるのではないかと考え研究に取り組んでいます。