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渡邊教授と本学学生の共著論文が英国の医学専門誌に掲載されました

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ヘルスイノベーション研究科(SHI)博士課程4年の江頭勇紀さんと渡邊亮教授の共著論文「Home healthcare trends before, during and after COVID-19: 10-year data analysis」が、英国の医学専門誌「BMJ Supportive & Palliative Care」に掲載されました。

研究の概要

本研究では、神奈川県の国民健康保険データベースから得られた10年間(2014年4月~2024年3月)のレセプトデータを用いて、COVID-19パンデミック期間中の在宅医療サービス利用動向とその特徴を時系列分析により明らかにしました。

結果として、在宅医療サービスの利用は、過去の実績から予測される値と比較して、パンデミック期間中およびその後も一貫して上回りました。特に往診料は感染拡大のピーク時に最大32%の増加を示し、感染の波と強く連動していることが明らかになりました。一方で、退院時共同指導料などの在宅移行時の医療サービスは予測値を下回り、感染拡大時に特に減少する傾向が見られました。また、2023年5月のCOVID-19の5類感染症への移行後も、多くのサービスで利用増加が継続していることがわかりました。

本結果は、新興感染症流行時をはじめ、在宅医療提供の量的拡大とあわせて、在宅移行を支援する医療サービスなどの質的確保の両立が必要なことを示唆しました。

指導教員である渡邊教授から論文公開にあたってのコメント

本研究は、公的医療保険の実データを用いて、新型コロナウイルス感染症が在宅医療の提供体制とその利用動向に与えた影響を明らかにした点に大きな意義があります。高齢社会の進展とともに在宅医療の重要性は一層高まっており、平時・有事を問わず持続可能なサービス提供のあり方を検討する上で、本研究の知見は様々な示唆を与えるものです。今後も、現場の実態に根ざしたデータ活用を通じて、より良い医療提供体制の構築に資する研究を進めていくことを期待しています。

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