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研究内容紹介

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社会福祉政策を、「ガバナンス」の観点から捉える

氏名
山本 惠子
所属
社会福祉学科
研究分野
社会福祉学,社会政策学
キーワード

政策,ガバナンス,政府間関係,公私関係

取り組み内容

ガバナンスという言葉をよく目にします。それは協治または共治と訳されます。今日地方自治体が軸となって社会福祉サービスが提供されますが、行政が直接サービスを供給するわけではありません。NPOや福祉産業に託されることもあります。一定の自律性をもつ多様な組織が、相互に関連しながら社会福祉のガバナンスを形成しています。

 

介護保険の場合、保険者である市区町村は、介護保険法に基づいて保険料を決定し、税金と保険料を投入して制度運営を進めています。保険者は、法で定められた目的に沿って、適切かつ効果的に、民主的かつ公正に運営を行う使命を担っています。保険者はその目標を実現するために、制度の枠組みで実施できること、市町村単独で行うことなど、地域の実情に応じて創意工夫を凝らします。このように保険者は、財政規律を保ち、介護予防に地域社会をコミットさせ、地域社会や民間セクターとのガバナンスを確立することが求められます。

 

課題は多くあります。トップダウンで、高い要介護度に対象層を絞る「規模の縮小」に移行するのか、「地域共生社会構想」に伴い非行政アクターを動員する「外部化」を強化していくのか。または、ボトムアップで、行政責任を明確にしつつサービス供給から漏れる人たちを救いあげ、尊厳を保持した「地域包括ケア」を住民とともに構築できるのか。ガバナンスの観点から、社会福祉の転回を読み解くことができるのです。

メッセージ

これまでイギリスの福祉研究を続けてきました。その魅力は福祉の歴史にあります。救貧法は福祉とは何かを問うのに有効な歴史的事実を提供します。第二次世界大戦後の福祉国家の建設も重要で、「揺りかごから墓場まで」の理念は大切な福祉原理です。特に医療の国有化・無料化は重要で、単に医療保障だけでなく、予防重視という積極性を打ち出しました。最後に、地域参画も見逃せません。今は、Participatory Cityという地域再生が推進されており、住民参画型の福祉はわたしたちには非常に示唆に富みます。国際的な視野からのアプローチをお薦めします。

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